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プロジェクト5
2003.1.30
いま日本中が注目・こんな首長にまちを委せたい
財政県下最下位の村が数年でAクラスに・まち再生の秘訣とは
  過疎の村に人が集まる・行政力とは根本的な自然の力にあり
  県下で低医療費の村に・オーガニックで住民は健康でストレスフリー
    福井県 宮崎村長 木村橘次郎氏
  宮崎村環境衛生課長 上坂重之氏
<コーディネーター> アウトドアライター 天野礼子氏
 


天野 こんにちは。「こんな首長にまちを委せたい」というタイトルですけれども、今からご紹介する宮崎村の木村村長さんだけではなくて、先ほど元気だった取手の市長さんや、今の柳川の市長さんなど、いろいろ委せたい組長が、今日はたくさん来ていらっしゃいまして、大変楽しい時だと思います。
 今までの4つのフォーラムでは、何人かの方々が、あるいはいくつかの自治体の方々が、ずらっとお並びになりました。しかし5つ目の宮崎村だけは、村長さんと課長さんがお二人で来ていらっしゃいます。「なんでこの人たちにだけこんなに時間をやるんだ」と、皆さん、特に柳川の市長さんは思われると思うんですが、実はこういうことなんです。皆さんにEMをめぐる、状況が変わったよ、日本が変わったよ、ということをお話ししたくて、比嘉先生が、「一番貧しい所で一番がんばったから、一番いいものをとってるんだよ」、といつも私におっしゃっている、宮崎村を、私が今日紹介させていただくと共に、皆さんと日本はどんなふうに変わったか、ということをお話をしたいと思います。
 お年を召した方は昭和の方がよろしいかもしれませんが、昭和47年1972年に、日本列島で「日本列島改造論」という言葉が使われました。太閤秀吉の現代版ということで、「今太閤」と呼ばれた田中角栄さんが、初めて庶民から総理になって、これからは日本列島を自分がブルトーザーで改造していくんだと、いうことを発表されたのが1972年、昭和47年のことでした。この「日本列島改造論」で、日本列島は改造されただけでなく、実はこの時農薬というものが、大きく日本列島の大地を侵していくことになるんですね。実はその2年前の1970年には、「公害国会」というものが国会で行われております。この公害国会とは何かというと、水俣病やサリドマイドなどが、国会で問われたものでした。
 この1972年というのは、日本列島で、日本列島改造論が吹き荒れたと共に、世界ではどんなことが起こっていたかというと、世界ではストックホルムで、同じ年に「人間環境会議」が行われました。そこで、沖縄で比嘉先生と並び、世界の権威と言われております、宇井純さんという、そのころは東大の万年助手でいらっしゃった方が、初めて1972年に、ストックホルムで開かれた国連人間環境会議で、公害、水俣という言葉を世界に向けて発信し、日本には公害がある、農薬というものは最も恐ろしい公害である、ということをお話しになりました。その同じ年に、日本では田中角栄さんの列島改造論を受け入れて、全国で土地が改造されていくわけです。そしてどんどん農薬が使われていきます。
 当時学生だった比嘉先生は、まだ農薬は良いものだ、と思っておられました。そして公害がどんどん広がって、農薬がおかしい、という時代になってきて、有吉佐和子さんという作家が「複合汚染」というものがあるよ、農薬というのは大変恐ろしいんだよ、と沖縄でお話しになった時に、当時、農薬を熱心に勉強している途中だった比嘉先生は、「そんなことはない、農薬は人々に幸せをもたらすはずなんだ!」と叫んだんですね。ところが農薬の勉強をしていくに従って、だんだん自分の体がおかしくなってきて、やはり農薬は複合汚染ではないか、と考えはじめた。人間が最後に頼るものは農薬でなく、やはり地球上にいる、いろんな微生物の力を借りることだ、ということで行き着いたのが、「EM」でした。81種類の有用な微生物を利用して、皆が元気になるという、地球上の菌を使う仕事です。その仕事がやっと日本政府にも、認められつつあるのが現状です。
 先ほど、世界には、有機栽培をすると政府から補助がきて、農薬を使うと補助が付かない国がある、というお話がありました。それはどこかと比嘉先生に聞いたら、スイスだということでした。実はヨーロッパでは、全部そういう方向に向かっています。そして世界も、もうすでに約140カ国で、EMが使われていると聞きます。そういう微生物や菌の力を使って、農業や水の浄化などいろんなことをやっていくというのは、実は世界の潮流です。やっと日本はそれに間に合いました。先月、12月3日、参議院でも自然再生推進法案が通りました。また農水省が発表したバイオマス日本総合戦略ですが、これは26枚にもおよぶ官僚の作文で、なにが書いてあるかというと、バイオマス、すなわち植物由来のいろいろな菌の助けを受けて、私たちはこれから農業や林業を立て直していきましょう、という官僚のみなさんの反省が、実にわかりにくく、書いてある。なぜ分かりにくく書いてあるかというと、日本の官僚は反省をしたことがないし、反省が嫌いで、自分が間違っているということを言うのはいやなんですね。
 実は自然再生推進法案は自民党の亀井派が作りました。この自然再生推進法案に至るまでのことを短く説明しますと、2000年に私がヨーロッパ、アメリカに行って来まして、同年8月に、鳩山由紀夫さん、管直人さん、亀井静香さんとお話をしたんです。ヨーロッパ、アメリカでは近年2つの潮流があり、1つは、不要で大規模な公共事業は、財政に非常に負担がかかっているので、ダムを止めるなど、公共事業が変わってきている。ダムでなくても、水は使えるし、止水もできるので、もっと安い方法を選んでいる、というもの。2つ目の潮流は、財政に負担がかかっても、自然を再生することにお金をまわしている、というもの。これらを3人にお話ししたんです。そうしたら翌月の2000年9月、亀井静香さんが公共事業の抜本的見直し研究会を作り、2000年12月までの間に、233の公共事業を止めたんです。
 そういう中で、自民党は2001年12月16日、建設族といわれる人たちがたくさん集まっている国土交通部会で、これからは川に蛇行を取り戻すということを勉強し始めました。そして翌年2002年3月、日経新聞に、亀井派が自然再生推進法案を作ると発表した。そしてその法律が成立したのがこの前の12月3日です。
 これからは全国で、公共事業という名前で、飛行場ではなく、大きなダムでもなく、「自然再生」をやっていきましょう、という時代がようやく日本に来ました。そして官僚たちの反省のように、これからは植物依存の、そして太陽の恵みへの依存、そういった微生物の世界で、農業や水の浄化をやっていこうということになってきました。私は、言ってみればこれは、官僚の皆さんがEMの比嘉先生の軍門についに降ったと思っております。(会場拍手)
 私の住んでいる大阪市は、ゴミを分別しないんです。道頓堀を浄化しましょうということで、私たちが「EMを入れてください」と提案し、比嘉先生も2回も大阪市に来てくださるのに、大阪市の官僚たちは、「自分たちでやりますから」と言うんです。琵琶湖から流れて淀川の河口に至るまで、琵琶湖の水は何度も各都市の上水道に取り入れられ、また下水道から出て、何度も塩素に侵され、使い続けられているんです。だから最後の所でEMを入れて浄化しようと提案しても、大阪市の官僚たちは言うことを聞かないんです。「なんで大阪市はあんなにバカなんでしょうかね」と比嘉先生に言ったら、先生はひとこと言われた。「困ってないからなんですよ。本当に困っている所なら、ちゃんと使って、財政が助かって、人々も健康になっていますよ」と。それはどこかと聞くと、「福井県の宮崎村に行って見なさい、天野さん」と言われました。そこでこの木村村長さんに会いに行ったんです。
 老人の医療費が最高額だったのに、EMを使って最低額になった。また水の浄化に非常にお金がかかりそうだったのに、EMを使って財政が助かった、という所なんだと聞いていました。それで村長さんの所に行きました。今からお話をいただく、70歳の木村橘次郎さんですが、実はその前の村長さんが、大変な方だったんです。40年も行政を預かり、10期続けた方なんです。とにかく村に公共事業を引いてくるのが大好きで、村長さんすみません……。村では、「もうこれ以上村長をやらせていたんでは村がつぶれる、とにかく公共事業はいいけども、全部借金になっているのに、何考えてんだ!」ということで、当時3期議長を経験していた木村橘次郎さんに、「あんたも議長さんね、もっと村長をしかるべきだったんだ。今度はあんたが村長になって責任とってくれ」、ということで、この木村さんが村長さんになったのが7年前でした。その時宮崎村の財政は火の車だったという中で、村長さんにこれから苦労をしていただくんですが、よろしくお願いします。ではまず課長さんが露払いで、宮崎村がどんなところかを、パネルで紹介していただきたいと思います。

上坂  ただいまご紹介受けました、宮崎村の環境衛生課を担当しております、上坂と申します。よろしくお願いいたします。


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 地方自治体の問題提起ということで、これは全国的なことを出してあります。財政悪化、高齢化による医療費増加、少子化、また過疎化、それによる村収の減少、また下水道、ゴミ処理、と生活関連による財政などです。これは宮崎村のことではありませんが、ちょっと見ておいていただきたいと思います。特に医療費についてはぐんぐん伸びています。これは一般の国民の医療費です。



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 これは宮崎村の役場庁舎です。この国道は、三重県の四日市市から日本海へ縦断している365号線です。宮崎村はミズキ科の「山帽子」が村の木になっていまして、この道路沿いに花水木を植えています。歩道は、越前焼きのイメージを出すため、両方とも陶板を敷いています。今では花水木の通りが13〜14キロなっています。5月の連休明けあたりには、白と赤のコントラストで非常にきれいなところでございます。



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 宮崎村の位置ですが、水仙と蟹の日本海の越前海岸から、5キロほど山を越えて入ったところに宮崎村があります。宮崎村は、越前焼きの発祥の地ということで、陶芸公園などがあります。また東には、めがねの産地である鯖江市、それに武生市、北の方に福井市、という所で、苓北地方の中央部の西に位置しております。



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 財政順位が35位から16位に上昇ということです。今天野さんからご指摘がありました通り、借金まみれで非常に低迷し、破綻状態でした。その中で、木村村長が村政を預かるようになりました。福井運行?、農協さん、それに福井信用金庫というのがあるのですが、そこにヤミ負債がどんとあって、利子も相当高かったのですが、村長になると同時に、金融機関に頭を下げてひれ伏して回り、その努力の甲斐がありました。同時にEMを使い始めて、下水の汚泥量が10分の1になり、下水の汚泥処理に300万円かかっていたのが、今は50万足らずでできています。またEM研究会、有機の会も作られ、このころから村民が、安全で安心な有機の野菜を作り、今日では非常に健康な住民になっています。



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 これはEMぼかしで作った有機のスイカです。EMで作ると、スイカの花まで甘みがたくさん入っています。転作などで水田が荒れてきていたのですが、そこでスイカを作ることにしたら、非常に均一したスイカが採れるので、今特産品になっております。福井県では、宮崎のスイカということで非常に売れゆきが良いそうです。糖度も、通常慣行栽培だと10くらいですが、これは11から13ということで、とても甘いです。



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 これはピーマンです。ピーマンについても、現在、5町歩ほどでEMで作るようになり、これも非常に甘みの多いピーマンで、最近また宮崎の特産になりました。ピーマンといいましても、普通糖度は3から4くらいと言われていますが、EMで完全に有機で作ると、糖度が5から6になるので、生でかじっても宮崎のピーマンには苦味がありません。完全に生で食べれるピーマンです。



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 これは過疎の村に人が集まるということで、平成7年度で4パーセントの人口増加ということが書かれております。宮崎村では宅地造成をしました。民間と公的宅地造成とで、150個ほど造成してきたんですが、環境が非常にすばらしいということで、完成して売り出すとその年中には完売してしまった。場所によっては抽選で、5人も6人も抽選されて、外れた方は残念だ、ということでした。またこの人口増加ですが、平成4年ごろは3936人だったのですが、それが宅地造成、また環境的にも鯖江市、福井市に近い、それと自然の美しい山紫水明の村ということで、アンケートにもありますように、住みやすい村という良い結果がでています。これは村民のアンケートです。他にもいくつもアンケートをとってあるんですが、ここでは住民のアンケートで、住みやすいという回答について、紹介させていただいております。住みやすい、というのが30.9パーセント、どちらかといえば住みやすい、というのが85パーセントを超えているということです。合併問題でも、皆さんに「なんで合併するんだ」と言われて、非常にその辺は苦しくもある問題だと思っています。また宮崎村に視察にこられる方も年々多くなりまして、平成14年4月から12月まででは、49団体、1265人。この中の一割の方々が、宮崎で宿泊をしていただきました。宮崎村を見て、そして陶芸教室でろくろを回すなど趣味を生かしていただき、隣にある茶苑で抹茶を一服して……。非常に落ち着いていい気分だと。家族で来られている方もいらっしゃいます。



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 これは宅地造成の所です。ここには電柱がございません。電気・電話・テレビ、全部地下埋設で、非常に静観できれいな所です。また人工的に流れを作りまして、ここに住んでいる方は非常に喜んでおられます。1区画150坪で平成9年当時売り出しまして、坪7万円前後です。非常に過ごしやすいということで、住んでいる方も、最近はEMで家庭菜園などを始め、宮崎村に来てよかったな、とおっしゃっています。



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 これは下水の処理場で、このST?培養器で活性液を培養しているところを、僕が視察に来られた方々に説明しているわけですが、こうして宮崎村の下水の処理方法などを皆さん見ておられます。



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 これは県下で低医療費の村に、ということですが、1人あたりの医療費が下がった、ということ、それから小中学校の給食にEMの食材を供給している、また農薬を使わない、有機で住民の健康度が向上してきた、ということで、医療費が減ってきました。一番上の黄色い線が、全国の老人医療費です。60万から70万に今近づくか、という状況です。また紺色の線は、福井県の医療費の状況で、赤い部分が宮崎村ですが、だいたい50万円前後ということで、非常に老人医療費も安くなってきております。
 これはEM研究会の会員さんがフリーマーケットをしているところです。国道の空き地の休憩所で、健康野菜ということで、野菜を販売しております。またこれは有機米ですが、ほうでんまいのさくみ?ということで研修会を開いております。またその健康野菜・有機野菜を学校の給食にということで、給食食材の約20パーセントを供給しています。また水稲の床土作りも皆さんで協力しながら、作っている状況です。


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 これは「田んぼの天使」ですが、EMぼかしで作ったこしひかりです。非常においしい米です。こしひかりはもともと福井県の農業試験場で生まれているんです。今は新潟の魚沼産の方が有名ですが、元は福井県ということで負けてなるものかと、EMで今我々一生懸命有機で米を作っております。



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 これはST?培養器です。下水に入れていましたが余裕ができてきたので、1リットルのペットボトルに入れて、希望される各家庭に無料でお渡ししています。宮崎村の公共施設では、化学洗剤は一切使われておりません。全部EMの活性液を散布、または直接流すなどしているので、トイレも臭いがありませんし、便器が非常にきれいになってきています。それから小学校のエコクラブで、毎年一年に一回、生ゴミを家庭から持ってきて、堆肥化して学校の花壇などに使っていく、ということをしています。また家庭でも生ゴミをぼかしあえして、堆肥化して使っています。



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 官民一体の基盤作り、それから役場とEM研究会との協力、講習会、勉強会でのフォローアップ、安心安全な有機農業・家庭菜園の推進、EM活性液の住民への無料提供、ということを村とタイアップしながら、村内でのEMの普及を図っております。



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 これは、生ゴミ堆肥を使って、役場前にある花みずき通りの花壇の床作りをしているところです。ここには出ていませんが、ここの花壇で非常に大きな花が咲きまして、あんまりきれいなので、前の方にある信号機を横にして花を見ていたら、車が100メートルほど渋滞してしまい、クラクションが鳴りっぱなしだったということもありました。花が出ていないのが残念なのですが。



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 これは子供さんたちが、生ゴミで堆肥作りをしているところです。村長もいつも作業服を着て参加しているので、僕らもアドバイザーとしていても、非常に気を遣っております。(会場笑い)



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 これは松くい虫の防除のため、松ノ木に活性液を散布しているところです。先ほどありました高橋さんのお話を聞きまして、宮崎村の公民館のうしろの、少し弱っている松ノ木に、ぼかしを撒き、活性液をかけて、試験的に15本ほど同時に取りかかっております。
 そういうことで今日まで活用してきております。

天野 上坂さんありがとうございました。さてこれから村長の木村橘次郎さんの登場です。前の村長さんが、公共事業として下水道処理施設をもってきたのが1992年、そして農業集落排水施設として農水省から、また建設省からも箱物をもらってきたわけですよね。2回も公共事業で下水道処理施設を作っていたのに、宮崎村は何を困って、どうしてEMを使うようになったのですか?

木村 元々あった下水処理場は、バクテリア方式、バッキ方式というのですが、これは好気性菌によって分解し、そして分解したものを汚泥として処理する、というものです。しかし非常に臭いが強く、故障も多く、修理した箇所もあります。なぜEMを使ったか、どのようにしてEMと出会ったかを、少しお話をさせていただきます。この大きな動機ですが、やはり悪臭です。それはものすごい悪臭がただよって、隣の方々が本当にご飯が食べられないというような、それほどすごかったわけでございます。非常に財政厳しい、破産か倒産か、役所職員の月給の支払いもままならず、どう考えても金の出所がないという状態の中、私としても、直さないでおけばそれに越したことはございません。しかし現場を見に行きましたら、本当にものすごい悪臭でした。本当にこれでよく今まで辛抱したな、という気持ちでいっぱいでございました。なんとか機能強化しましょう、ということで見積もってみると、浄化槽が3億円かかる、という。

天野 これは、農水省からも建設省からもお金をもらって、箱物を作ってたんだけども、そこを十分に回すには電気代がいるから、ずっと止まってた、というわけですか?

木村 いや、循環はしておりましたが、やはりバッキがあまり機能していなかったようです。それに好気性のバクテリアだけで、完全に臭気を取って分解するのは、非常に難しいことに気がつきました。そこで、嫌気性菌であるEMによって、酸素の当たらない、空気の触れないところを助けていただこうと、EM菌の投入を始めたわけです。

天野 下水道施設にEMを入れて、臭いがひどかったのはどうなったのですか?

木村 EM原液を購入して、100倍に薄めて少しづつ投入していくと、1回で効果が出ました。臭いが取れ、汚泥が減りました。汚泥の色も、今までは茶色や緑の汚泥だったのが、だんだん黒くなったんです。黒くなるのは、100パーセント近くまで分解された証拠です。2、3ヶ月経ち、ようやく汚泥が3分の1ほど減りました。これでほとんど臭いがしないと報告を受けまして、それならEMの一番有効な方法を、これから勉強しようではないか、ということで、EMを勉強しながら、また増殖しながら、適切な流し方をしてきました。

天野 老人の医療費が福井県ナンバー1で高かったのに、どうして低くなったのでしょうか?EMでどう変わったのですか?

木村 EMがすべてではございません。やはり10年間の長期戦となりますと、重圧を感じるわけです。発言もなかなか届かないし、こういうことを希望すると、「そんな余計なことはせんでいい」という鶴の一声。どちらかというと独裁的なものでございます。やはり人間は心の問題で、誰かと話をして、自分の言ったことを理解してもらえる、そういう気持ちの問題が、ストレスをためずに循環できる。EMを皆に普及して、現在会員の方々が110名までいらっしゃるわけですが、皆さんと共々、健康なものを作っていこう、そして肥料も農薬を使わずにやろうでないかと。またリサイクルの方々が中心になって、EM研究クラブを立ち上げた。それらの展開がものすごく速かったんです。それが、1つの医療関係につながってきたんでないかと思います。自分で作った食べ物は、全部自分の食卓に乗っていく。抗酸化物が多くて、活性酸素を防いでくれる、我々の血液・血清関係を浄化してくれる、EMはこういうすごい働きをします。EMが抗酸化作用をして悪い菌は減っていく、そこへ良い菌が活動できるような状態を作る。EMというのは特別な環境制度を持っていて、それが人間の体に抗酸化作用して、傷ついた血管、細胞の核、肩がだるいなどいろんな症状の改善や、癌の予防までするような効果につながってきております。

天野 最初は下水道にEMを入れて、それによって臭いが消えて、汚泥の量も減った。下水道へ入れると、EMが川へも流れていきますよね。私がこの前取材に行ったときに竹炭をもらったのですが、これはEMに浸した竹炭だそうですが、これは上水道で何か使っていらっしゃるのですか?

木村 浄水場の一番先の池に、竹炭を籠に入れて積んでいます。宮崎村は焼き物の地ですので、水は鉄分が多いんです。考古物などは少し含有量が多いわけでして、緑色になるのはマンガン関係が多いのですが、赤っぽくなると鉄分が多い。そういう特色があって、それを取るために、今の竹炭を入れているわけです。

天野 竹炭を浄水場施設に沈めてるわけですね。ということは、まず人間の飲み水で、EMが体の中に入ってきますよね。それから、畑のかぼちゃやじゃがいもはEMで作ってますから、食べるものも直接EMが入ってきますよね。ということは上水道も農業も下水道も全部EMでやっている、だから健康だと村長は思っていらっしゃるのですか?

木村 そう思っています。本当にすごい。

天野 村のおじいさんたちが言うには、EMを使う以前、村長さんになる前、この村は若いお嫁さんがスーパーで野菜を買ってきて、それで料理していた。ところがEMを使うようになって、下水道から出てきた汚泥は、農業の肥料になるので、無料であげますと村が言ったら、お年寄りたちがそれを肥料に使い、野菜を自分たちで作るようになったんだそうです。スーパーで買ったらお金がいるけど、おじいちゃんおばあちゃんが作ったものなら無料だからと、その野菜を使うようになったら、子供が元気になったとか。

木村 1つの方法なんです。EM研究クラブの方々に、どうしても子供さんの給食に出してくださいと、先に子供に提供してもらったわけです。だいたい時価の半額以下です。今までは、余ったら畑や田んぼに捨てるなどしていたのですが、EMで作ると上等のものが出来るので、それを皆さんでローテーションを組みながら、順番で給食センターに持っていく。そしてそこで議員の方も一緒に食べるのです。そうすると、やはりおいしいと思い、実はこれらはEMで作ったこういうもので、ここのおばちゃんたちに出していただいたものだということを知り、それが学校のみならず、家まで広がってつながるんです。そうしてEMってすごいな、ということが分かってくるのです。

天野 それで学校の子供たちも、自分たちでEMぼかしを使るなどして農業に参加するのですが、EMで作った野菜を給食で食べて、子供にはどういう変化が起こったのでしょうか?

木村 ここは山間地で、福井県は人口83万5千ほどですが、私の村は4100人で、約20分の1の小さな村です。ひ弱い子供が多かったのですが、ここ何年かにおいて、少年少女バレーホール大会など出場しますと、ほとんど県下で優勝します。上手な人だけを集めて優勝するのは当然ですが、全部で一組が40数名しかいなくて、その中で、バレーボール、卓球、野球部、それに焼き物の部もあるような……

天野 子供がぎりぎりしかいないんですね?

木村 一人も余ってない。(笑い)それを県下一番まで育て上げるということは、やはり集中力、忍耐力、また人とのつながりといいいますか、波動といいますか、それが良くなったひとつの大きな原因ではないかと思います。

天野 バレーボールでは全国8位にまで行ったそうです。すごいでしょう!
 宮崎村では、医療費もEM食べて老人は元気になった、子供も全国で8位になるまでになった。日本全国でようやく、EMのような、自然の菌を生かしてやるということが、小さな声で官僚たちも認めつつある、今入り口にいるような状況ですが、村長さんのところで、札幌のK&Kの石川さんのシステムで、生ゴミを資源にするという構想が進んでいるようですが、それに対して県が何か言って来ていて、今困っていることがあるそうですが?

木村 本当に大変困っているのは、EMで有機肥料を作るのは、時間も短くて、経費も人件費もかからない、コストが本当に安く済みます。しかし彼らが言うのは、ものすごい攪拌機を何十名かでこうやって温度60度から80度やって、回転して、何ヶ月か寝かせてというもので、これが4億何千万ほどかかるというのです。こんな小さい村で4億かけてどこにお金があるっていうんです?EMでやると7千万ほどできるのです。片方は一番安い設計で3億5千万です。ちょっとすると4億です。百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、県庁の部長以下を北海道まで連れて行き、「こういう具合になりますからこれを認めて、補助金ください」と言っても、「そうなる過程の数字が分からん」と言うんです!もう、つくづくふじけんごかと。過去の過ちを知らん方ばっかりやな〜と、昔から、ふじけんごかというのは自分の歩んできた過ちを反省しないことをそういう言葉で表現するわけで。

天野 県は約4億のうち、どのくらい出してくれるのですか?

木村 4億のうち国が2分の1、県が1割なので、約4割が町村の負担ということになる。そうすると、1億6千万はもたなければならない。1億6千万自己負担なら、こちらの方で他になにかいい方法を考えなければいけない。

天野 1億6千万自己負担して、4億近くもらうよりも、8千万でできるのなら、自己負担全部でやった方がいいのでは?皆さん、どう思いますか?(拍手)

木村 1億6千万は当然出せない。財政上厳しい中でやっておりますので。本当申しますと、「宮崎村農業型」というものを作っているわけでございます。これはEMを作っているメンバーの中で、村長が立会い人になって、村長室で家族会議、協定会議をするのです。お父さんもお母さんも息子も、働く人全部が、余暇の場合はこうやって時間を与えてやりましょう、収益はどれだけの目標を持って上げていこう、社長はこれだけもらって、奥さんはどれだけと、従業員がこうでという、協定会議を開くわけでございます。その上に農業が共同作業で非常に困っていて、ハイパー農業といっても、一番農業でお金のかかるのが農機具。それを国の方から5割の補助と県の補助1割もらって、村の方で約3割負担してハイパー農業を組み立てる。EMの健康食を作って、そして今有機肥料の作り方で手間取っていて、比嘉先生や、北海道の方に、情報をいただきながら打ち合わせしているのです。できるだけ最新の良い情報をもとに作っていきたいと思っているわけです。

天野 ずっとEMでやってきた宮崎村の所に、やはり今県の方から、「EMはデータは出ない」とか、「大きな補助を出すからこっちでやれ」などと言われている。たぶん全国で同じようなことが起きていると思うのです。例えば、政府は新エネルギーと言って、風力発電などの中にゴミ発電も入れてる。本当なら、ゴミはもっと減らしましょうと指導をしなければいけないのに、環境庁が45億円の大きなゴミ施設作って、それにゴミ集めてみなさいといって、合併と一緒に持ってきたり、そういう新しい官僚農法が始まろうともしているんです。菌の力を認めながら、一方でデータをもってこいと言う。でもデータがなくても宮崎村はこんなに元気なんです。老人医療費も低いし、財政の負担も低くなっている。この中でがんばろうとしている宮崎村に、実は今の日本の、どちらへいくか、という選択がせまられていて、村長さんも悩んでいる。
 宮崎村はやはり、これだけの人たちが集まっている中で、宮崎村だけがこれだけ長い時間を占領するぐらい、EMのモデルなんです。ですから1億6千万の負担で、県から押し付けられたものをやらないで、やはり8千万くらいで、石川さんにもちょっとまけていただいて、がんばってほしい。EMで全部やれるから、へんな世話をしてくれなくていいから、比嘉先生がおっしゃるように、いいものは使っていけば勝ちなんだという、結果ひとつなんです。宮崎村は結果で示しているということです。

木村 片方は東大卒業したすごい方ばかりで、駆け引きしてもなかなか……。それでEMの話を福井県・石川県・富山県・新潟県を管轄している北陸農政局で説明して、なんとかして今の制度を解いてやろうと思ったのです。「そんなことしたら大変なことになる」と言われましたが、「アホなこといいなさんな、あんたの腹の中EMばかりで、EMで生きているんじゃないか」と。「朝何食べてきた?」と聞くと、「味噌汁」と。味噌汁の中身はEMで作られたもの。「たくわんも食べた」と。それも全部EMでできている。腹の中全部EM。(笑い)
 それからカドリウムという大きな問題が出ています。今化学肥料によって土が酸化されて、カドリウムが溶けかかってる。それが作物に伝わって、米が国際基準より上回っている。0.4より上がった場合は、食料として間に合いません。こういう方面を少し直したらどうかということも注文しました。こんな問題は他で何兆円出したって直りませんよと。しかしEMなら直せますと。

天野 どうもありがとうございました。福井県の宮崎村でした。皆さんにお配りしているペーパーの中にもありますが、公共事業は変わるという本の中に宮崎村のことを書きました。それだけではなく、比嘉先生のこと、K&Kの石川さんのこと、具志川市のことも書きました。今日お集まりになった皆さん、日本が今ようやく、農薬づけにした日本列島を反省し、変わろうとしています。しかし、中央官僚も、県の官僚の皆さんも、自分からは変わりませんし、絶対に間違っていたとは言いません。皆さんが変えてあげてください。皆さんが皆さんのやりたい事業ができる法律が、自然再生推進法案です。その法律を動かすのは皆さんだということを忘れないで、EMで美しい日本に、再生していただきたいと思います。ありがとうございました。



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