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プロジェクト1
2003.1.30
まちをオーガニックで埋め尽くせ
1年でオーガニック栽培技術の確立・未来型方程式を身につけよ
  北海道 遠別農業共同組合長 小林 一之 氏、北浜建設(株)代表取締役 有田 正 氏
EMスーパーセラ簡易農業・国民的楽農運動による安全・安心な食・農の実現に向けて
  (株)イーエム総合ネット EMXセラミックス簡易農業推進チーフ 岩瀬 尉司 氏
魚沼米が有機JAS認定でさらにグレードアップ
  新潟県 NPO法人 NPO魚沼ゆうき代表 山岸 勝 氏
<コーディネーター> (財)自然農法国際研究開発センター 関東地区普及所長 伊藤 明雄 氏
 


伊藤 本日は「まちをオーガニックで埋め尽くせ」というテーマで、EM技術により安全・安心・ローコスト・高品質の有機農業を、いかにしてまち中に広げ、農業を基にした循環型地域社会づくりを行うかについて、皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います。
 まず、パネラーのご紹介をさせていただきます。北海道遠別町北浜建設株式会社代表取締役、有田正さんです。同じく、北海道遠別町遠別農業協同組合長、小林一之さんです。お隣は愛知県の株式会社イーエム総合ネットEMXセラミックス簡易農業推進チーフ、岩瀬尉司さんです。最後に新潟県魚沼郡川西町NPO法人NPO魚沼ゆうき代表、山岸勝さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて皆さん、環境汚染という言葉をよく耳にしますが、「農業による環境汚染」というとピンとこない方もいらっしゃるかと思います。食糧生産の安定を目指して、長年使用してきた農薬・化学肥料が、土壌の侵食、地下汚染、河川汚染、大気汚染などの問題を引き起こし、生態系のバランスを崩すさまざまな要因を作り出し、世界中で大きな問題になっています。また近年、日本ではBSE問題、輸入野菜の残留農薬問題、無登録農薬の使用、偽装問題など、我々の食生活を脅かす、さまざまな問題が連日のニュースを賑わしました。
 これらの問題意識が高まり、日本でも2000年6月より「有機JAS法」が施行され、消費者の有機農業への意識や関心が高まってまいりました。しかし、慣行農業から有機農業への切り替えの難しさや、有機農産物が高価であることなどの理由から、いまひとつハードルを乗り越えることが難しい今日でございます。今日はそれらの問題を、どのように解決していけばいいかを課題に、パネラーの皆さんのお話をうかがいながら進めていきたいと思います。


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 それではまず、慣行農業から有機農業への切り替えの問題点から見ていきたいと思います。皆さんもよくご承知かと思いますが「農作業の労力」これが大きい。「病害虫除草対策の問題、収量の問題、それから有機肥料の確保が難しい、また技術的な問題、周辺農家の理解が得難いなど、そして大規模経営が難しい、販売価格の問題、ルートの問題」、先ほどもありましたように、海外からの市場流入や、それに伴う競争激化など、いろんな問題が現在言われております。下のほうの図にある、日本の有機農産物の総量は、有機JASの認定を受けてない有機農産物を合わせても、国内の総生産量の1パーセントにも満たないというのが現状でございます。



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 皆さんこの数字、何だと思いますか? 実は、1日に倒産する建設会社の数なのです。公共事業が10パーセント削減されると、今後3年で、62万人が失業するそうです。さて、ここに建設会社の社長さんが、なぜ農業の分科会にパネラーとしているのでしょうか? もうお分かりだと思います。
 北浜建設さんは、公共事業費が10パーセント削減する中、新たな取り組みによって「リストラをせずに雇用を確保した」ということで、NHKを始め、新聞、週刊誌にも登場いたしました。そして北海道知事も視察をするほどの農場を短期間で作りました。わずか一年という時間で、オーガニック栽培技術を確立した、その経緯と取り組みについて、有田社長さんからお話をうかがいたいと思います。よろしくお願いいたします。


有田 おはようございます。北海道から来ました有田といいます。私がまず農業というものを考えたのは、2年前「北海道地球環境共生ネットワーク」の方から、有機栽培の「EM農法」という言葉を聞いた時です。EM農法とは、琉球大学の比嘉先生が研究開発した有用微生物で、それが土壌を蘇生型にするというものでした。「従来の慣行農業では、土壌を崩壊型にする。それを蘇生型にすることによって、土が良くなり、作物は健康で安全、安心なものができる」というお話を聞きました。
 世論は確実に「今の公共事業はダメだ」と言ってるわけですから、正直言いまして建設業は、もう絶対どういう形であっても淘汰されることは間違いないんです。私は、建設業が淘汰されたら、あとに残された従業員、末端の作業員はどうするんだと考えました。北海道の建設業には兼業農家さんが多く、そういう人たちを、やはり一番始めに解雇しなければならなくなる。しかし兼業農家さんの事情を聞くと、慣行農業のための土地改良をした際の借金のために、一生懸命働いているということでした。そういう現状を聞き、私は遠別町役場の担当者に「農家さんたちが、なんとかEM農法で有機栽培をできないものか?」とお話をしましたが、それは無理だと言われました。それなら僕がやろうと考えたのです。
 私が有機栽培をEM農法でやることについて、当初は農家さんから「そんな農業の農も知らない素人が、何が有機栽培だ。」「有田さん、私たちJASの有機認定を取るのに10年かかってるんですよ。それをいくらEM、EMと言っても、1年目で有機は無理だよ。」などとさんざん言われました。まして私は、真冬の12月に、土地も何も見ないで借りたんです。


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 しかし、僕は自分の建設業の技術も生かしながら「EM農法は素人でもできるんだ」という言葉を信じて、補助金ももらわず、自社の建設機械を使って、職員たち、自分たちでまず土地改良事業から始めました。僕はEMの技術について詳しいことは分かりませんが、しかしまず土を蘇生状にする良い土を作るには、やはり透水性を高めなければいけないと思い、そのためには絶対土地改良事業は不可欠だということで始めたんです。その痩せた土地は、雨が降ると水はけがとても悪いんです。



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 EMは南国沖縄の菌だから「北海道には適さない」という意見が多勢でした。それを私は真冬の1月に、畜産農家さんから牛糞堆肥を400トン分けてもらい、それにEM活性液とEM堆肥の素を、サンドイッチ状に積み重ねて熟成させました。それが105日目で、ちゃんと熟成した堆肥が出来たんです。それを、農家さんたちの畑に撒いてもらい、そして畑を起こしてもらいました。そうしたら、わずか1〜2ヶ月で土壌がだんだん変わって、蘇生型になってきたと言うんです。従来の農薬・化学肥料を使ってきた農家さんが言うんですよ。僕はウソは言いません。皆さんまず、土の変わり方にびっくりしたということです。それで僕は、最初は半信半疑でやっていましたが、可能性があるのかなと思い始めました。
 その後、カボチャの定植をしました。1つひとつ定植する穴を掘り、そこにEM活性液を入れるという方法です。ところがそれから2〜3週間、干ばつが続いたんです。その時皆に「あの有田のカボチャは枯れてもうダメだろう」と言われました。しかしまずそこでびっくりしたのは、あれだけ雨が降らず、他の農家さんが困っているのに、EM活性液で定植したカボチャは、1つも枯れていなかったということです。その後のカボチャの発育状況を見て、農家さんが、「これは従来の慣行農業の発育状況とはまったく違う」と言うんです。実は今まで遠別でも、EM活性液は使われているんですよ。しかしやはり私たちのような使い方をするのは無理なんです。だから10年経たないと有機の認定まではいかない。
 僕は「どうせ建設業で死ぬんだったら、前向きで死のう」と思ったんです。そのためには、自分の会社の能力を生かしながら、今の消費者のニーズに答えなければならない。今は安心・安全というものを消費者が求めているわけです。それと同時に北海道は「日本の食糧基地にしなければいけない」ということを、マスコミなどでも言われています。そのためには、従来の農薬漬けの農業では、もう消費者に答えてはいけないということなんですよ。
 今まで我々建設業は、農業土木として基本的に農家さんの土地改良事業もやってきました。それを、今度は逆に我々が、やはり自分たちの地域特性を生かした仕事作りとして、自分で土地改良事業をし、そしてEMで有機栽培をして、消費者のニーズに答えていこうと考えたわけです。
 今、国民の総財産が1400兆円と言われてますが、その70パーセント以上が、50歳以上の人なんですよ。僕はこれからの高齢化社会、それが今後の有機の大きなビジネスチャンスになると考えております。


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 今年は遠別でも、カボチャの採れは非常に悪かったんです。ところがうちのカボチャは1年目で、その悪い条件の土地のなかで、遠別の農家さんの「3倍」の収穫量がありました。留萌管内では、カボチャ1キロあたり、約100円だそうです。僕は価格についは、全然頭にありませんでしたが、実際にうちが売ったカボチャの値段は、ハネでも1キロ125円くらいで、一番高いものは300円くらいで売れています。それは消費者が価格を決めてくれたんですよ。
 EMというのは素人でもできるんです。昨日は比嘉先生に「僕は素人でどうもすいません」と言いましたら「いや、有田さんはEMのプロだ」と言われたんです。とにかく、このEMというのは素人で始めても、良くできるということです。このEMによって「私は民で行動をし、そして行政を動かしていく」そういう考え方であります。そのためにがんばりたいと思います。よろしくお願いいたします。

伊藤 ありがとうございました。まだまだおっしゃりたいことがたくさんございますけれどものちほどお聞きしたいと思います。
 さて小林組合長、北浜建設が農業生産法人を取得して、農業への参入に取り組んだことについて、農業協同組合としてはいかがでございましょうか?



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小林 この有田さんの看板がありますが、遠別町は、日本最北の稚内を海岸地点で80キロの所にあります。今、遠別の農業が抱えている問題というのは、ここ10年間で、113戸が農業を辞め、農家が少しずつ減少してきていることです。さらに後継者がいない農家が、8割にも達している。そして65歳以上の人が農業を続けているケースが、約50パーセントを占めます。またその中の7割の人が、夏の間は遠別の建設の方で働いているのが現状です。



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 この中で、有田さんが農業に参入したということで「農業に弾みがつくのではないか」と農協としても期待していたわけでございますが、本当に期待の通り、大変地域農業の振興に努めていただきました。そしてなんといっても、農家に非常にすばらしい活力を与えてくれた。農家がやる気を起こしてくれた。これがわたくしども農協としても大変うれしいところでございます。有田さんが先ほど言っておられましたが、離農の跡地というのは、ミミズも住めない、まして大型機械で圧縮してありますので、非常に地下水が高いわけでございます。有田さんは建設会社ですから、機械を持ってきてすぐ土地改良をしました。そしてEMをまぜ、堆肥もたくさん投入して、りっぱな農地にして、野菜を作ったわけでございます。そういうことで、遠別農協長としても鼻が高いわけでございます。
 日本最北の遠別の地で、EMを使って野菜を栽培し、見事に成功し、また実証もさせていただきました。本当に私どもはありがたいと思っております。
 今までも、遠別では有志が集まり、農業を活性化させなければ、町全体が冷えこんでしまうということで、建設業、流通業者、飲食店、スタンド経営者、商工会、漁業協同組合、農協が中心となって出資し「遠別産業振興公社」を作りました。野菜の付加価値を高めるために、いろいろと研究もしていますし、また昨年からは行政の依頼を受け、下水道の汚泥の処理や、EMを使って糞尿を堆肥化し、野菜農家、水田農家に供給するなどの案を、今私どもも考えており、今年から実行していかなければならないと思っております。そういうことで、今後は地域の資源を最大限活用して、有機の町、EMの町を目指して、がんばっていこうと思っています。

伊藤 ありがとうございます。これまで公共事業に頼ってきた建設会社が、農業への進出を始めたことで、新たな地域活性化の可能性が見えてきたということでございます。
 さて「有機農業のハードルは高い」というのが一般的な概念ですが、実はそうではなくて「とても簡単にできる」というのがEM技術の特徴です。そのことを実証する事例を交えながら、岩瀬さんからお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

岩瀬 おはようございます。イーエム総合ネットの岩瀬です。先ほどもありましたが、新聞などでよく無登録農薬などのニュースが流れていて、皆さんも「少しでも安全なものへ」という意識が高まっていると思うんです。また農家の方も、農薬化学肥料の使いすぎという部分で、安全性を問われている時代です。しかしやはり有機農業について農家の方は「やってみたいんだけど、ちょっと大変なんじゃないの?」という声が圧倒的多数です。


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 その中で、手間のかかって、収量の少ない従来の有機農業に対して、農家がとりかかりやすい、簡単で手間がかからなくて収量が多いという農業を、僕らは「EMスーパーセラ応用による簡易農業」と言っているんですが、その提案、実践をしています。
 基本コンセプトは「高齢者でも、誰にでもできる、簡単で、扱いやすく、楽しく、手間がかからない」ということです。手間がかからないというのは、時間的なことでもあります。そして、ローコスト。今までEMは、少量しかあげられなかったんですが、培養器が出来たことにより、大量投入が可能となりました。それにより、金銭面だけでなく時間的余裕もでき、農家の皆さんに、余った時間で「ゆとりの生活を過ごしてもらいたい」という思いもあります。そして多収穫・高品質・安心・安全、これはもちろんのことです。高品質については、日持ちがいいのが特徴です。僕も会社に行く前に、ほうれん草を作ってるんですが、5日経っても色も何も変わりません。これは1つの特徴だと思います。



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 では必要な資材について、簡単に説明いたします。まず「抗酸化レベルの向上」とありますが、これは簡単に言うと「土を肥沃にしよう」ということです。それに必要な資材が3つあります。1つは「EMスーパーセラ発酵C」というセラミックスの資材です。これは粘土にEMを練りこんで、焼いて粉にしたものです。使い方の例としては、有機栽培の場合、堆肥の切り替えしが大変という時、これを混ぜてあげると、切り替えしの手間が省けます。また有機肥料をあげてもなかなか効いてこないな、という時も、これを3キロくらい土壌に撒くことによって、それが解消されます。それから葉面散布にも使ってください。光合成の能力が上がり、使ってないものと比べると、色が濃くなったり、品質面で良くなります。
 もう1つは「百倍利器2」です。これはEMを大量に、安定して製造できる機械です。今まで、EMの活性液は手作りで、手間がかかったんですが、これを使うことによって、かなり大量に入れることが可能となりました。
 あと1つは「米ぬかペレット」です。これは微生物のエサになるものです。今までは皆さんボカシを作ってたと思うんですが、このボカシを10人が作れば、十人十色のものが出来てしまうということで、あらかじめこういうものを作り、またペレット状にすることによって、散布しやすくしました。
 それではこれらを使って、土の微生物が安定してきたという事例から、技術的なポイントと成果について説明したいと思います。


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 これは愛知県の事例ですが、愛知県は特別栽培農産物では全国一位の出荷量を誇る県であります。中でも弥富町は、トマト、ナスで有名な産地です。今までは、JA主導型の栽培で、病害虫の集団発生や連作障害、木曽川の上流から、ネコブ線虫がそのまま用水として流れてくるなどの問題がありました。年々、農薬・化学肥料の使用量が増えていくことに対し、疑問を持つようになったことから原点に返り、土作りという点から、トマト栽培を始めています。
 方法は、先ほどの3点セットを使います。植え付けの約1ヶ月前に、EMスーパーセラを5キロから10キロ、EM活性液を原液で1トン、米ぬかペレットまたはボカシを300キロ以上施用します。これらはまず、耕耘する前に投入してください。そして耕起し、埋め立てしてください。生育中には、灌水時に適宜EM活性液を入れていきます。また葉面散布に、EMスーパーセラ発酵Cの約1000倍液を一週間に一回くらい散布すればいいと思います。
 その結果、夏のハウスというのは、夜でも熱帯夜の場合、30℃以上にはなると思いますが、その中でも着実にトマトの実が結実して、今までの収品率が上がったという成果が出ています。


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 もう1つの事例は長野県の巨峰です。皆さん、果樹というのは、農薬漬けだということを覚えておいてください。ブドウは、普通では年に13回から14回くらい、農薬を散布します。そしてそれに併せて除草剤も散布するわけです。その結果、土がだんだん疲弊しはじめ、新梢の伸びが悪くなったり、受精が弱まったりしてきます。ここの農園の木はだいだい30年くらいなんですが、弱りきってどうにもならないということで、簡易農業に取り組み始め、今年で5年目になります。



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 方法はさっきと同じですが、植え付け前というのはこれにはないので秋処理をします。秋の葉が落ちた段階で、さっきのような割合で、ちょっとペレットは多めに与えます。春になって、まず除草剤をやめました。そして機械の上に乗って除草できる機械を導入しました。そうして生育を見ていると、農薬の散布回数が段々減ってきます。今まで年14回散布していたのが、今では2回から3回に減りました。これはとても常識破りなことです。さらに果実の糖度が、単年度で2度から3度上昇しました。また収量が、周辺が1トンであったのに対し、ここでは1.5トン、昨年は2トン採れました。果樹というのは連続しているものなので、成り疲れが心配されましたが、それもないということでした。とても特出すべき点だと思います。従来不可能とされてきた、無農薬・無化学肥料栽培の可能性が、十分に見えてきた事例だと思います。

伊藤 ありがとうございます。皆さん、有機農業のハードルが段々低く感じてこられたのではないでしょうか。
 続きまして、日本の代表的なお米といえば、「コシヒカリ」です。「コシヒカリ」の中でも魚沼産の「コシヒカリ」は、大変有名です。NPO法人魚沼ゆうきさんでは、ブランドに頼ることなく「安心で安全、おいしいお米を、消費者の皆さんにお召し上がりいただきたい」と願い、また農業が取り持つ「環境・食・命」の大切さを、体験学習を通して、次世代にも伝える活動にも取り組んでいらっしゃいます。昨年の10月には、NHKで取り上げられて、大変有名になっています。それでは山岸さんから、これまでの取り組みについて、お話をうかがいたいと思います。よろしくお願いいたします。

山岸 皆さんおはようございます。雪深い魚沼からやってきました、山岸と申します。


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 まず私たちはここ、農家の所にいます。ここから消費者へ、食べ物を供給するのも大変なんですが、それから生ゴミへといきます。私たちは「生ゴミ堆肥」とは呼ばずに「宝物」と呼んでいます。これを使って有機栽培をすることもそんなに難しくなくなってきました。今、有田さんのブルドーザーのようなパワーがすごくこっちに伝わってきてますが、かえって変な勉強をしてこなかった人のほうが素直に物事を受け入れてすぐ実行するパワーがあります。だから成功するのもそちらのほうが多いような気がします。問題が「ゴミ」ということになりますと、どうしても行政の方からの力をいただかないと無理な部分もあります。
 実は昨日、比嘉先生の講演を聞いて、ガーンと頭を殴られたようなショックを受けました。というのは「安心・安全・高品質・快適・ローコスト」についてです。さて、私たちの運動にそれを当てはめてみますと、安心・安全というのはレベルの差こそあれ、努力によってなんとかなると思います。高品質もしかり。快適なのはやっている人が一番良く分かるわけで、有機農法をやっている人はみんな元気がいいです。


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 ただ問題は、この「ローコスト」です。私どもの米は日本一高い。これはもう大いに叱られたと思っています。実は私たちのグループは、自分たちが販売している米の値段を下げるために、この有機農法を広げたいと思っているんです。何でこんなに高いかというと、魚沼産「コシヒカリ」というのが全国に出ると、実は一年間で7万トンくらいの生産量しかないんですが、それが下手すると100万トンくらいになった年もあったそうです。本当の魚沼産コシヒカリを食べたことのある人は、おそらくこの中でも、2人くらいしかいないんじゃないかと思うんですが、それだけの希少価値があり高いんです。それは私たちにも責任があります。ですからその生産者を、有機の認証マークを貼りながら増やしていきたいと思ってます。今現在、JASマークをつけたものが2000俵くらい出回り始めました。
 皆さんの中には、お百姓さんもいらっしゃると思いますが、もう何十年も「無農薬だ、有機農法だ」と言っている人はたくさんいたわけですが、この有機JAS法によって厳しく選別され、非常に難しくなってきました。また農水省で、特定農薬の審議会が開かれて、大変なことになってます。例えばアイガモなんかでも農薬になりかねないそうです。アイガモがですよ。ちょっと目を離すと、勉強してきたえらい方々は、そういう方向に行ってしまうんですね。ですから、消費者の方、生産者の方、そして志のある方たちが、ネットワークを組みながらそういうものを監視して、いい方向にもって行かなければダメだと思っています。


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 それでは私たちのやっている農法をちょっとだけ説明させていただきます。この種籾を、ただ網袋に入れて雪の中に浸けます。これは今年の1月3日に浸け込みました。「雪浸」というのは私がつけさせていただきました。新潟は今日は大変な雪だそうです。この雪のおかげで、この3月に種を撒くまで、ただひたすら雪の中にこうして埋めたままなんです。そして3月末になって掘り出して、種まきをするわけです。そうすると「ジャーミネーション・アビリティー(発芽力)」がとても高まるんだそうです。自然の力が備わるんです。これを8年くらいやっていますが、やめられません。
 これは去年の4月10日ごろです。この時点で冷たい水の中に、さきほどの種籾をポットの箱に撒いて、直接ここにおろすわけです。熱も加えません。私たちは本当にスパルタで、稲はひどい目に合います。そうすることによって、力のある、自然ないい稲が出来上がるわけです。EMはこの苗床の、土の部分に混和しておきます。こうすると還元菌が増えるんです。他の堆肥もいろいろ試しましたが、今のところこれが一番いいと思っています。
 それから稲の生育ですが、植えても、植えたように見えないんですよ。栽植密度が1坪あたりに30株くらいしか入りません。その1株が2本から3本くらいなんです。そして、20センチくらいの高さまで水をどんどん張っていきます。こうすることによって、湿生雑草の稗を主に抑えることができます。稲がなかなか分けつできなくなりますので、稲自身がものすごく太くなります。上に生育できない分、見えない下の根の方で、非常に活力のある、稲体になっていきます。大体20センチくらいの大きな穂がつきますので、平均でも100粒以上になります。でも私たちは、1田んぼあたり8俵、だいだい500キロ以上の収量にはならないようにという目標でやっております。
 こちらが刈り取り間際の稲姿です。これは倒伏とはいいませんが、自然に作って茎を太くすれば、完全な倒伏はしません。

伊藤 ありがとうございました。まだまだ詳しくお話をうかがいたいんですが、時間も迫っておりますので。これまで皆さんからお話いただいたものを少し、技術のポイントとしてまとめてみました。


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 既存の機械を利用して、EM活性液を大量に散布する。これは大変コストも安いということで、土壌改良や良質堆肥作りなどに大変効果的でございます。そしてEMセラミックスで更に強化するということです。



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 次にこの有機農法を、どうやったらまち中に広めていけるのかということをまとめますと、先進地域や成功例から学んだり、農家のグループを作り、そこで勉強会を行う、企業や個人などの新規就農の支援をする、また有機農産物の流通の問題もありますので、ネットワークを作っていく、そして
、農家や行政、流通業者、消費者が一体となって、地域社会づくりに取り組む、ということがポイントになるのではないかと思います。
 「まちをオーガニックで埋め尽くせ」ということで、そのあり方を考えてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。外国では慣行農業には補助金を出さずに、有機農業に取り組む農家のみに、補助金を出す制度もあるようでございます。未来の子供たちのために、あらゆる分野の人たちが知恵を出し、協力し合って、命の源である農業を基にした、循環型の地域社会づくりに、共に歩んでまいりたいと願っております。今日は大変お忙しい中、すばらしい事例発表をしていただきました。ブースの方で、さきほどの山岸さんの魚沼産のコシヒカリのお米の試食をしております。もっと詳しいお話は、ブースの方で受けたまわっておりますので、是非お立ち寄りいただきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。



EM-EXPO 2003